【ノーベル賞を受賞した】今核酸医薬の躍進がすごい!新規モダリティのRNA医薬を深堀する【画期的テクノロジー】

テクノロジー pick-up

大分遅れてしまいましたが、明けましておめでとうございます。

仕事始めから忙しく、はじまったなあ!という感じですね。

昨年は(というかいつもなのですが)とても忙しく、状況も日ごとに大きく変わった1年でした。

日々チャレンジングでしたが、その分成長実感もありますし、やりたいことも増えました。

今年は、外部のネットワークを広げる1年にしていきたいです。

外部の学会活動に積極的に参加したり活動の幅を広げて、productiveなことを考えていきたいと思っています。

公私ともに幅を広げていき、挑戦の年にしたいと思っています!

核酸医薬とは

今日は、核酸医薬について書いていきたいと思います。

以前に書いたことがありましたが、2023年、2024年は両年RNA技術でノーベル生理学賞を受賞しています。

RNAのテクノロジーに関しては、RNA干渉、マイクロRNA等の機序の発見でノーベル賞の受賞があり、

ここ最近は本当にRNA医薬の躍進を感じています。

私自身、RNA医薬はコスト、時間ともに従来の薬より圧倒的優位性があり、オーダーメイドにあつらえることが容易である性質から

もし実現したらすごい、とずっと興味がありました。

1990年代からずっと、いつか薬になると言われていましたが

分解をうけやすく狙った部位で薬効を発揮させることが困難であること

またRNA特異的な性質によりおこる炎症反応が阻害要因となっていました。

ですが、ドラッグデリバリーや炎症反応を抑える手法に試行錯誤が行われた結果、

今本当に薬として実用化され患者の方に使用されているのはすごいなと思います。

やはり、今までできなかったことが技術の発達により出来るようになるのは画期的なことで

その可能性を持つRNA医薬の研究に自分が携わりたい!と思ったこともあるくらい

私はRNA医薬が好きです。

(以前、ArcalisがUSにmRNAワクチンの大規模生産が可能な専門工場の建設されていると見ました。この創薬支援のAxceleadは、RNA医薬に注力したワンストップの技術支援をしていて、とてもおもしろいです…!核酸医薬の創薬支援を紹介している下記の動画をシェア)
国内で唯一!核酸医薬の統合的創薬研究を丸っと提供!!:山田伸彦のAxcelead解体新書#22

これからもどんどんRNA医薬が出てきて今までできなかった領域にアプローチが可能になり、

今まで有効な治療を持たなかった患者さんが治療を受けることができるのだと思うと、本当にうれしく思います。

核酸医薬の種類は?

核酸医薬にはいくつか種類があります。

大きくいうと、まずDNA医薬RNA医薬に分けることができます。

DNAはよく知られている遺伝子の本体で、安定的な物質ですが

発がん性等、個体への遺伝子改変のリスクがあります。
(かつて発がん性のため発売中止となった事例があり、遺伝子導入方法についてまで改良に改良が加えられたという歴史があります)

その点、RNAに関しては、遺伝子から作られる相補的な配列によって蛋白の発現や発現の阻害等に関わっており

体内にRNA配列を直接導入することで薬として機能することができる。

そこがRNAが非常に注目され、ポテンシャルを期待される理由です。

ただRNAを薬剤化することが難しい理由として、

非常に分解しやすく体内の分解酵素によって簡単に分解されてしまう。

そのため、DNAに比べて輸送コストもかかるし、体内で適切に働くためにドラッグデリバリーシステムを種々工夫する必要があります。
(脂質ナノ粒子の膜に核酸をつつんで輸送するlipid nanoparticle (LNP)が最もメジャーですが、私が論文等読んだところでは、これが以前にワクチンで言われたモデルナアームと言われる若い女性に多い副反応の原因になっているのではないかという印象を受けています)

核酸医薬の種類としては、アンチセンス、siRNA、miRNA、アプタマー、デコイ、CpGオリゴ等があります。

特徴について、以下の表にまとめてあります。

出典:国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子医薬部(2024年6月15 日更新)より抜粋

核酸医薬品は何がすごいか?

簡単に化学合成が可能


まず、核酸医薬がバイオ医薬品として注目される理由としていちばんあげられるのは、

低分子化合物や抗体医薬に比べて、簡単に合成することができて、それが機能することです。

従来の薬物である低分子化合物は、標的に対して特異的に結合して機能する化合物を合成して評価するまでの手順に時間がかかり

そのため薬剤の創出に非常に長い時間や開発コストがかかる。

また、抗体医薬に関しても実際に活性があり薬効がある蛋白を生産し評価するのに時間がかかる。

それまでは新規薬剤の開発には5-10年かかると言われていたのが
(AIの発展によりin silicoで大分短縮することが可能になったようですが)

パンデミックからわずか1年でmRNAワクチンができた驚異的スピードについては、皆さんご存知のことと思います。

どれくらい簡単か、先般の新規モダリティのCOVID-19ワクチンワクチン作成まで、原因ウイルスの同定からどれくらいかかったで分かると思います。

COVID-19ウイルスの配列決定から、臨床試験に持っていけるワクチン原型ができるまでどれくらいかかったか、分かりますでしょうか?

答えは……  3週間  です。

(これは、薬剤として最適な配列を探索して決定する時間を含めての期間です。実際の合成に関して言えば1日でできるかと思います!)

変異株に対応したワクチンについても、きわめて迅速に創出されたのを見ても

どれだけ簡単に合成することができるかが分かると思います。

特異性が高くオーダーメイドしやすい

低分子化合物は、ラボ環境の中で化学的反応で時間をかけて合成していくものですが

DNA/RNA医薬は生体内で創出する蛋白、あるいは相補的一本鎖/二本鎖で4つのデオキシリボ核酸をつないで合成することで生体内で機能する核酸などがその本体です。

これらは生体内で働く物質で、非常に特異性が高い。

また、抗体医薬等でもがんを標的とした場合もがんの性質にあわせた薬剤を培養しオーダーメイドに作成できる(T-CART法と呼ばれる手法で非常に高額になりますが)

あるいは今まで有効な治療法が存在しなかった希少疾患・遺伝子疾患に対応可能です。

これは根本的に有効な治療手段を持たなかった希少疾患の患者さんにとっては、福音ともいえる事だと思います。

コストが安い

これは核酸医薬に限ってのことですが、生産コストが安いです。

基本的に鋳型と材料されあれば、温度反応でつなぎあわせて簡便に合成できるため

非常にコストが安いです。

これに必要な修飾を加えるとコストはあがりますが、

これまでかかっていた莫大な開発期間とコストとは比較できないほど生産コストは抑えられます。

 ただ、蛋白質である抗体医薬になると、

大量培養や無菌状態の維持や厳しいGMP基準にあった大規模施設での生産が必要となるため

この高い生産コストが問題となってきます。

 核酸医薬はさまざまな疾患で開発がすすんでいる

数としてはまだたくさんではないですが、

核酸医薬は実際に承認されているし、製薬企業やベンチャー企業が開発に取り組んでおり

臨床には多くの候補品があります。

全体に占めるバイオ医薬品の売り上げは年々増加しており

将来的にはバイオ医薬品が市場の大半を占める、そうなる日も近い将来くるかもしれません。

おわりに

今回は、私自身非常に注目しているバイオ医薬品について

サイエンスのバックグラウンドをもつ立場からおおざっぱに書いてみました。

専門的なことになると、また細かい議論があると思いますが

今製薬業界で医薬品の開発でこんなすごいことが進行してるよ!というのを言いたくて書いてみました。

AIの発展もがん治療もそうですが、

今まで治療できなかったものが治療できるようになるというのは

テクノロジーの進歩にはとても可能性があるし、すごい時代だと思います。

自分もその一端をになうことができたら、本当にうれしいなと思います。

ここで書いたことが、少しでもどなたかの役に立てれば幸いです。

ではまた。

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