こんにちは、risachicaです。
今日は、ファーマコビジランスの中核をなす活動である、安全性情報収集業務の基準となるような文書
安全性マネジメント計画について書いてみようと思います!
おそらく、治験薬概要書(IB)ほど一般的な単語ではないと思うのですが
簡単に言うとプロジェクト開始前に作成する、実施するPV活動について文書化したもので
適正なPVシステム設計という観点からも、非常に重要な文書です。
これについては、実施する安全性情報収集業務を網羅しているため
各ステークホルダーの行う活動について全て定義している必要があり
随時更新していきますが、まずプロジェクト開始の段階で作成します。
文書サイン前のレビュー時は慎重にチェックしていきますが、正直非常に骨の折れる作業です。。
なので少しでも分かりやすく読み解けないかと思い、こちらで書いてみようと思いました。
それでは、ひとつずつ紐解いていきたいと思います。
安全性マネジメント計画とは?
安全性マネジメント計画は英語でSafety management plan(SMP)といい、
簡単に言うと、安全性情報の報告をどのようなやり方で実施するか、各ステークホルダーと取り決める手順書です。
グローバルプロジェクトでは各国のステークホルダーと協働し、
抜け漏れなくタイムラインに沿って報告する、適切なPVシステムを構築する必要があります。
薬の承認、あるいは市販後に規制を遵守し適切に医薬品製造販売を行うには、
承認前の申請準備や、承認後の情報収集、情報提供活動にはたくさんのステークホルダー(内部関連部署、提携企業、ベンダー)が関係します。
様々なroleの人が、それぞれのroleでプロジェクトに関わってきます。
「自分が担当するのはここだけど、これは誰が担当するの」?
「ここまでは他社ベンダーが対応するけれど、そこから次のステップへどう伝達するの?」
そういったひとつひとつを明文化し、各ステークホルダーのプロジェクトにおける役割を記載する文書
誰の役割かハッキリさせ、誰の責任の下でどのように実施するのか
対象範囲・開始日・タイムライン・記録・保管の方法まできっちり記載し
抜け漏れがない報告システムのフローを構築しすべての人がその下にPV活動を行う文書、
それが安全性マネジメント計画です。
更に、報告が必要な症例報告時の細かいタイムラインや、
ローカルの規制に準じた特異的な対応を行う場合(特に日本!)には
各対応を記載した文書をそれぞれ作成していくため、各文書は入れ子のような構造になっています。
この文書は、各ステークホルダーが目を通してレビューし、サインを行うことで最終化しますが、
effectiveとなった日から全てのステークホルダーがその文書に記載された内容を遵守して
業務を実施していきます。
安全性マネジメント計画記載項目について
安全性マネジメント計画に記載する内容としては、各企業で異なってくると思いますが、以下のようなものがあります。
- プロジェクト基本情報
・プロトコール
・適応疾患
・治験薬(IP)/市販薬
・治験使用薬
・対称薬
・プラセボ
・治験が実施されている地域
・フルパッケージか、それとも部分的業務分担か
・治験マネジメントシステム (EDC)
・セキュリティが担保された伝達方法
・分散型臨床試験/Decentralized Clinical Trial (DCT)か - Standard Operating Procedures (SOP)/Work instruction (WI)
- Business Continuity Plan (BCP)
- 治験安全性マネジメント
- 提携企業との安全性情報伝達の締結
- 医学的マネジメント
- 試験中止のルール
- 安全性データベース
- データ整合
- 報告要の安全性情報マネジメント
- 定期報告マネジメント
- 安全性ライティング
- データ移管
- 文献調査
- クオリティ/コンプライアンス
- 文書管理 (Trial Master File/TMF)
- 審査委員会
- 更新履歴
- 添付資料 etc…
細かく書くとまだまだあると思いますが、挙げていくとこのような項目になります。
(20-30 ページで収まる量です)
各プロジェクトでこれらをそれぞれ規定していくので
複数プロジェクト、例えば3つプロジェクトを持っている場合は、この作業X3 の作業が生じます。
全てのプロジェクトで抜け漏れなくチェックしていくのですが
正直テトリスをやっているような…
水道管ゲームをやっているような?(あまりやったことないですが)感じになります。
マルチタスク必須ですし
Dueやtaskがひっきりなしにくるので
自分にあった方法タスク管理をする必要があります!
長くなりそうなのでいったん終了し、また次に書いていきたいと思います。
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